[ブログ] 楽譜de散歩
2014.08.29 音楽以外の芸術

サッカーワールド杯に想う 関 孝一(CARS監査役/日本音楽作家団体協議会)

【執筆者】関 孝一(CARS監査役/日本音楽作家団体協議会 事務局長)

音楽とサッカーは世界共通語とよく言われますが、私も音楽同様、サッカー好きな一人です。

およそ1カ月間に及んだワールド杯ブラジル大会の熱い戦いは、24年ぶり通算4度目、しかも南米開催のW杯で欧州勢初Vという、ドイツ優勝で幕を閉じました。前評判では優勝候補に挙げる声が決して多くなかったものの、予選リーグ、決勝トーナメントと攻守に素晴らしい試合運びで勝ち上がり、とりわけ、優勝候補筆頭であった準決勝ブラジル戦での怒涛の攻撃、そして同じく優勝候補のアルゼンチンとの決勝戦も、まさに一時も目を離すことが出来ない見応えのある攻防を120分間繰り広げ、得点こそ1対0という少ない試合でしたが、得点以上に両チームの勝ちたいという熱い気持ちが、テレビで見ていても充分伝わってくる試合となりました。

ドイツは昔から攻守一体の組織サッカーが持ち味で、特定の選手に頼るというチームではありませんでしたが、今回のチームは、もちろん選手個々の技術が高いことは間違いないものの、攻撃の面では、細かいパスワークで、どこからでも得点につなぐことが出来る、多くの引き出し(戦術的バリエーション)を備えていました。実際、出場した多くの選手が得点を挙げたことからもそれを証明しています。

それにしても今回のW杯は、予選リーグでは引分けが少なく、決勝トーナメントに入ってからは延長戦やPK線で決着するといったエキサイティングな試合が多く、とりわけ、決勝戦は見応えがありました。両チームとも1カ月に渡り全7試合、暑い気候という厳しい環境での連戦、まさに怪我人が出る程、疲労が蓄積している状態の中、攻守の切り替えが早く、双方の特徴を生かした試合でした。そしてドイツの決勝点となった若手コンビによる素晴らしい延長戦でのゴール。流石に守りの堅いアルゼンチンも防ぐことが出来ませんでした。今回のドイツチームはベテラン、中堅、若手選手がうまく融合し、細かなパスワーク、縦へのスピード、走る量の多さ、組織的な守備を特徴に、さらに伝統である勝利に対する執念・精神力を持ち合わせ、まさにゲルマン魂ここにありという素晴らしいチームでした。

一方、今回の日本代表は欧州のチームに所属する選手も多く、マスコミ等により前評判は高かったものの、残念ながら1勝もできず敗退し、世界との差を改めて感じる大会になりました。今後、攻守一体の組織力、細かいパス回し、縦へのスピード、豊富な運動量、といった現ドイツチームのスタイルこそ、体格に恵まれていない日本代表が目指すべきサッカーではないでしょうか。いずれにせよ、今回の結果をしっかり分析、糧にして、今後のチーム作りに生かしてほしいものです。

日本サッカー協会は「2050年にW杯優勝」を目標に掲げています。未だW杯の余韻が心に残りながらも、連日の寝不足が解消された今、W杯という最高の大会で日本が欧南米強豪諸国と肩を並べて戦えるチームとなる日を夢見て、新監督の下、日本代表に期待するとともに、これからも声援を送りたいと想っています。