[ブログ] 楽譜de散歩
2021.03.01 その他

節目を迎えて  関 孝一(CARS監査役/日本音楽作家団体協議会 事務局長)

【執筆者】関 孝一(CARS監査役/日本音楽作家団体協議会 事務局長)

 FCA(一般社団法人日本音楽作家団体協議会)の事務局を担当するようになり、構成団体のひとつとして参加しているCARSの活動に関わるようになりました。

 楽譜コピー問題については、30年位前にJASRAC職員として業務を担当することとなり、各地にある楽譜コピーをする可能性の高い利用者団体事務局を訪問し、絶版でない楽譜については掲載出版物を購入してもらいたいこと、やむなく楽譜コピーする場合には著作権の手続きが必要になること等について、当時、主に事務局を担当していた学校の先生に対して、説明のうえ理解を求めました。

 まだ、当時は著作権という言葉自体に馴染みの薄い時代だったこともあり、「何故手続きが必要になるのか」ということについて、特に学校内におけるコピーは全て自由にできるとの強い認識があり、なかなか理解をしてもらうことが困難で、非常に苦労した記憶が今も鮮明に残っています。

 そしてCARSの一員として、音楽作家や楽譜出版社、それぞれの立場の方の話を聞くようになりました。音楽作品の創作、楽譜出版、利用者が正規の楽譜を購入して演奏利用する、このサイクルを守ることにより、新しい作品が誕生して流通、利用できること、デジタル化により簡単にかつ正規品と遜色のない複製品ができる現在において、一層CARSの活動が音楽作家や楽譜出版社にとって、いかに重要なものであるかを再認識する機会となりました。

 私が現在事務局を務めるFCAは、今年4月に設立35周年の節目を迎えます。これまでの間、設立目的である「我が国の音楽作家の健全な活動を推進し、音楽著作権を擁護し、音楽文化の発展に寄与する」活動を行ってきました。コロナ禍によって音楽を取り巻く環境が厳しく一向に出口が見えない現在、音楽作家が抱えている問題を広く把握、分析したうえで、楽譜コピー問題や著作権譲渡契約問題他、音楽作家の健全な活動を妨げているさまざまな課題を解消するために、35周年という節目にあたり、関係権利者と連携して適切な権利保護の実現に繋げていく計画を立てる予定にしています。

著作権制度を保護、発展させ、いつの時代でも素晴らしい音楽作品を創作、享受できる環境を整えていくことが、音楽作家団体の代表として存在するFCAの設立当初からの役割・使命であり、ぜひとも節目を迎える2021年度は、その役割を果たすための活動を積極的に実施していきたいと思っています。

FCAの活動に、引続きご理解、ご支援をいただきますようお願いします。

一般社団法人日本音楽作家団体協議会(FCA)ホームページ https://fca-rights.jp/