文化庁移転について 関 孝一(CARS監査役/日本音楽作家団体協議会 事務局長)
熊本地震で被災された皆様さまに、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
政府は、地方創生を旗頭に文化庁を数年以内に京都へ移転させるという基本方針を決定しました。移転理由としては、日本文化国際発信力向上、京都にある文化財を活用した海外からの観光客の推進増加を理由としているようです。
しかしながら、本当に文化庁が東京から京都に移転することにメリットがあるのか疑問に思っています。
文化庁の主管業務には、文化財の保護の他多様なものがあり、まさに私たちにとって大切な音楽をはじめとする日本の芸術文化の振興や、著作権の保護・啓発、教育全般等多岐にわたっています。
報道によれば、国会に対応するための担当者だけを東京に残すようですが、国宝以外、文化芸術に関連する団体の多くが東京に集中している現在、またデジタル・ネットワーク化の現在、新しい技術の開発が日々進み、音楽の利用形態も大きく変更していく中、著作権制度を守る砦となる文化庁が移転することに大きな不安を感じています。
まさに、これからの日本の文化芸術振興の重要性から内閣一体での文化振興策の立案が必要になるのではないでしょうか。
現在、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、日本文化の大切さを一層訴えるため、超党派の国会議員による文化芸術振興議員連盟と日本の文化芸術団体が加盟する文化芸術推進フォーラムが中心となり、「2020年には文化省を」のキャンペーンを行っています。日本文化を発展させるためには、文化省を創設し、文化芸術、観光、スポーツ振興等を所掌して横断する役所が必要であり、また予算も増額する必要があり、そのためには文化庁を省に昇格する必要があることを訴えているのです。
移転をするのであれば、是非とも国会対応に限ることなく、文化行政の低下を招かないためにも必要な部署、人員を東京に残すように検討することを願ってやみません。
なお、FCAが加盟する文化芸術推進フォーラムでは、国民、社会に広くアピールするため「2020年には文化省」を標語とするキャンペーンイベントを本年5月から開始し、11月には、絵画品の展示・オークションや、音楽、舞踊、演劇、演芸など実演芸術による公演等のイベントを開催します。近いうちには詳細が決定する予定ですので、興味のある方は同フォーラムホームページ等でご確認ください。