詩人との語らい 上 明子(CARS幹事/作曲家)
来年2月に自作品コンサートを予定しています。毎回、必ず組曲・・・とは言わなくても、ある程度まとまった数の新曲を書いてコンサートに臨む、というのをコンセプトに30数年重ねてきました。
今回のための新曲が、私の中での締め切り11月末に出来上がり、清書して詩人には直接お手渡しがしたくて、それがやっと叶いました。
今年の3月のあるイヴェントで初めてきちんとお話しした、その詩人との作品です。織江りょうさんとおっしゃいます。まずは童謡協会恒例の「こどものコーラス展」の作品をご一緒しませんか?との私からの問いかけから始まり、何度かお会いしながら、ゆっくりお話ししてここまで進んできました。
コーラス曲の詩とはまったく違う詩の世界を見せていただき、びっくり!したり、物事の見方を変えると、ふ~ん!こうなるんだ~!などと、新しい感覚に嬉しくなったりしました。
私は後先考えずに、これらの幾つかの詩の中から、自作品コンサートの作品作りにいただけないか?とお願いしてみました。私のびっくりとは違ったびっくりが、織江さんの中にはありました。
織江さん曰く「歌う曲を意識して書いてない詩なんですけど」と。
私曰く「曲をつけるかつけないかは、私が決めますから」と。
なんとも偉そうに生意気なことを言った訳ですが、この詩に音が書けたらの一心でした。でも、ことはそう簡単には進みませんでした。それは想定していましたが・・。何せ、どの詩も何とも簡潔すぎて短い!無駄がない。でも、織江さんは「好きなように料理しても良い!」と、つぶやいたような・・・。
それから何編かある詩の中から6編を選択して読み込むこと5ヶ月。その間、いただいた時の感覚と、どんどん何かが変化して行っているのです。短い詩の中には沢山の何かが詰まっていて、目には見えないけど、こういう風景かな?あっ!こんな風景かも・・と、全く曲が書き上がる自信はないのに、何だろう?この楽しさは?って感覚を、これでもかと味わうことをしている現状にいるのでした。
言葉の持つリズムをそのまま音にすれば曲は出来上がる・・・と言ういつもの状態に持って行かれればと、その辺に頼っていたのかもしれません。
実際に音を書き始めて3週間余りで、私の仕事は完了しました。
昨日、織江さんとお話ししながら、私が感じたことをまっすぐにお話ししましたら、間違った解釈にはなっていなかったようで、ちょっと安心しました。
6曲の中で一番最初に目に飛び込んだ詩「いんりょく」と言う詩があります。引力って言えばニュートンの万有引力の法則ですよね。でも、織江さんの「いんりょく」は、地球が友達を欲しくてりんごを呼んだと言ってるのです。地球が「一緒に遊ぼ!っ」て、りんごを呼んだんですって・・・・。
私には地球の気持ちが分かるような・・・。私が大好きな月は、満月近くなると唇がビリビリしてきて、髪の毛が上に引っ張られて、さしずめ私はマリオネットですか?状態になるので、きっと月が私と友達になりたいと思ってくれてる・・と。私はとっくに友達と思っていますが・・・。
そんな話しを昨日、作品コピーをお渡ししながら、お話ししました。月のお話しの詩を書いていただこうかな・・と思った日でした。
ちなみに大好きな満月を表現した、ハーモニカとピアノのための作品を、今回のコンサートでご披露いたします。
詩人はご自分の思いを文字にして、作曲家は自分の音で表現して、そして最後は演奏家が好き勝手に料理してくだされば完成!
私は演奏に口出しは一切しませんので、演奏家のご自由に方式は、今回も変わりません。どう演奏するかを考えるのは演奏家の仕事ですから。
詩人、織江さんとの語らいで、持ち家持ち家をそれぞれに極めるのがベストなことという感覚が一致したことも嬉しかったです。当たり前のことなんですが・・。
演奏を聴くのがますます楽しみになるような、爽やかな詩人との語らいでした。
追伸:コンサートでCARSリーフレットの挟み込みは、もちろん忘れずにいたします。