音楽での「おもてなし」を経験して! 上 明子(CARS幹事/作曲家)
1月20日に、かつしかシンフォニーヒルズに、Arte Tokyo というマンドリンオーケストラのコンサートを聴きに行って来ました。マンドリンオケと言いましても、フルート、コントラバス、ギター、パーカッションがプラスされたアンサンブルです。
そもそもこのコンサートを聴きに行くことになったプロセスは?と言いますと、このオーケストラの指導者であり、マンドリン奏者でもある井上泰信さんから、井上さんと時々共演する間柄のピアニスト上 雅子さんを通して、今回のコンサートで共演できる児童合唱団を紹介して欲しいと話がきたことがきっかけでした。そこで私は、日本童謡協会で毎年開催されている「こどものコーラス展」に関わっていることから、台東区上野の森ジュニア合唱団を迷わずにご紹介したのです。
私はご紹介はしたものの、数ヶ月も前の話ですからすっかり忘れていて、聴きに行くという発想もなかったのですが、前日になってピアニストから「一緒に聴きに行かない?」と言われて重たい腰を上げた訳です。
いやぁ、良かった!良かった!素晴らしかった! マンドリンオケと児童合唱のコラボ。まず第一声で、鳥肌が立ちました。マンドリン自身が元々ピュアなイメージ。その上にこれまたピュアの塊のような児童合唱。(児童合唱団全てがピュアってことではないですよ!)あっという間の6曲。もっともっと聴いていたかったです。
そして終演後、井上さん、合唱指導の川上弥栄子さん、そして合唱団の皆さんにお会いしたいと、楽屋をお尋ねすることを伝えておきましたので、楽屋に向かったのです。楽屋のすぐ側で井上さんにお会いしてしまったのですが、そこでお話ししている時から、楽屋の中から歌声が聞こえてくるのです。なんで本番が済んだばかりなのに、練習しているんだろうと思いながら、楽屋に入って行きましたら、団員皆さんが私の方を向いて歌ってくださっているのです。何で?どうして?そこでまだ気が付かない相当アホな私の目は泳ぐは、どうして良いか分からないなりに、だんだんと、あっ!歌って下さっている曲、私の曲だ~!!(気付くのが遅い!) 曲がどうのこうのよりも、ものすごいエネルギーで、明らかに感謝の気持ちという雰囲気が伝わって来るのです。あっ!そうか!「今日のステージに自分たちの合唱団をご紹介くださってありがとう!」の、感謝の気持ちが込められている演奏なんだ。団員の皆さんの声と目。それはそれは温かくて、優しくて、キラキラして。それにしても、いつ練習したの?私の曲。私がコンサートに行くって決めたのは前日だと思ったけど・・・。
側にいたピアニストは感動、感激で鼻水と涙でグシャグシャ! 私はひたすら感動していた事は確かなのですが、どんな顔していたのでしょう? こんな時にストレートに涙を流せない自分が本当に腹立たしいというか、何というか、もどかしいの一言!
私の方こそ、こんな素敵な空間をいただいたことへの感謝の気持ちを、その場でどんな言葉でお礼をお伝えしたのか、全く覚えていないのです。ただただ、皆さん一人一人と暖かい握手をしたことくらいしか覚えていなくて・・・。
でもそこで確実に認識したこと、この日のこの合唱団の方々の気持ちの表現方法こそ、この世の中では一番と言えるほどの「お・も・て・な・し」。そう、これこそ本当の「おもてなし」の精神なんだと、この歳になって初めての経験に、ああ長生きしていて良かったと心から思ったのです。そして、音楽の力ってすごい!
何らかの形で私は「おもてなし」のお礼をさせて欲しい。合唱団の方々は、お礼を言っていただきたくてしたことではないことを百も承知していますが、何かをしたい! いずれ曲をプレゼントしたいかな・・・私に出来る事はこれくらいしかないから。今回の「おもてなし」のドッキリ!のように、私も素敵なドッキリ!をしてみたい・・・頑張ろう!っと!