夏の風物詩 ~ 花火大会と音楽 島 茂雄(CARS幹事/日本楽譜出版協会理事)
~コロナ禍終息祈願の花火大会と音楽の力を伝えたい~
夏の風物詩~花火大会が過去2年間コロナ禍の影響で開催されなかったところが多かったようです。3年目の今年は、感染症拡大傾向にある中でも外出制限されなかったので、地方や都会など三年ぶりに開催されたところがあったようです。
夏の花火大会は、地元で開催されるのを現場でみたり、ショッピングセンターの屋上で鑑賞したり、自宅のベランダからビールを飲みながら鑑賞するのが常でした。今年も、地元の江戸川花火大会(市川市民納涼花火大会&江戸川区花火大会)や船橋港親水公園花火大会は、三年連続で、中止になりました。都会は、密集するので中止したようです。


2015年8月1日市川市民納涼花火大会(江戸川区花火大会)
花火大会といえば、地元の中央競馬が開催される中山競馬場の場内で、平日の夕方から夜にかけて競馬場の一般客席を開放して、中山競馬場の近隣に住む住民向けに、競馬場渋滞等で近隣に迷惑をかけていることに対しての還元目的で競馬場を無料開放して、毎年8月上旬に開催されていました。
夕方、花火大会の前に、子供たち向けにオーロラビジョンでアニメ映写会を開催したり、館内では、食べ物や飲み物などの露店が出ていて、たくさんの子供づれのファミリーが楽しく参加している行事でした。小生は、十数年前に家族連れでよく参加をしていました。
普段、競走馬が走るトラックに一斉に音楽に合わせて花火が上がる演出は、コンピュータ仕掛けだろうと思いましたが、実に見事でした。通常の花火大会では、見られない演出でした。大型花火も音楽に合わせた点火がなされ打ち上げ花火の音と花火の開花と音楽が見事に合っていたのに、感動いたしました。ネットに当時を紹介しているHP記事(船橋/2010年 中山競馬場花火大会)があります。
<YouTubeでも検索できます。>
★2007年 中山競馬場花火大会 グランドフィナーレ
ジュピター(木星)や第九の音楽の中、花火が開花しているシーンが見られます。
★2008年 中山競馬場花火大会
G1ファンファーレとともに花火がスタートします。優雅な音楽と花火がマッチしています。ナレーションとともに子供の歌と花火がリンクしているシーンが見れます。大型花火は、よく実家の裏庭からも見えました。
毎年開催された中山競馬場花火大会は15年以上続けられてきましたが、2011年の東日本大震災の影響を理由に中止されました。その前年の2010年は、無料で入場した約4万人が客席スタンドから観賞したそうです。約48,000発の花火が夜空を彩ったといわれています。復活を望む声は、地元住民や船橋市、市川市から起きているようです。
今や音楽と花火の競演は、当たり前になってきましたが、2018年に茅ケ崎海岸のサザンビーチで「茅ヶ崎サザン芸術花火2018」が開催されました。サザンオールスターズの桑田佳祐の出身地である茅ケ崎で花火とサザンの音楽とのコラボレーションは、多くのファンに感動を与えたようです。
★茅ヶ崎サザン芸術花火2018 – 公式メモリアル・ムービー
また、今年は、東京・府中の東京競馬場では、ザ・ローリング・ストーンズ公認の都市型花火大会「THE ROLLING STONES 60th ANNIVERSARY THE GREATEST FIREWORKS ~感激!偉大なる花火~」が開催された模様です。
ザ・ローリング・ストーンズの音楽とワイドスケールの花火のシンクロを楽しめる花火大会。2022年では都内初となる大規模花火イベントが開催された模様です。ライブ会場さながらの音響システムを駆使した臨場感あふれる音楽と、視界に収まりきらないほどの大きく華やかな花火が融合した、ハイクオリティーな音楽花火ショーが展開され、東京競馬場の広大な敷地を舞台に、都市にいながらにして大迫力の花火体験を楽しめたそうです。
花火は、高度なデジタル点火システムを使用し100分の1秒単位で打ち上げ時間をコントロールすることで、音楽とぴったり連動させた打ち上げを演出。花火玉の種類や特性も考慮した、繊細かつ完成度の高い花火エンターテイメントを提供したそうです。こちらは、JRA主催ではなく、主催は、ザ・ローリング・ストーンズ花火実行委員会とキョードー東京が有料で開催されたようです。小生は、中山のパドック(西船橋)からは、遠いので鑑賞できませんでした。
花火と音楽といえば、ヘンデルが『王宮の花火の音楽』を作曲しています。1748年にオーストリア継承戦争終結のために開かれたアーヘンの和議を祝う祝典のための花火大会の音楽として作曲されました。実際に1749年イギリスのロンドンで上演開催されたようですが、祝典は盛大なものだったが、花火がうまく点火せず、さらにパビリオンのひとつが焼け落ちるなどの失敗に終わったと伝えられています。

1749年5月15日月曜日、ホワイトホールとテムズ川にあるリッチモンド侯爵の花火とイルミネーションの眺め。(作者不詳、1749年、エッチング)
今では、ディズニーランドの花火や長岡や大曲などの著名な国内の大花火大会での花火の開花と音楽をマッチングする演出が、ずいぶん多くなりました。花火の形や色も多彩になり、人の手で着火していた時代からコンピュータでの導入など数十年間の花火の技術的進歩も見事に進化しています。
今年は、地元の花火大会の中止もあってかつて見たことのある富士山の麓の山中湖の「報湖祭」花火大会や三大花火大会で有名な新潟県の長岡花火大会がネットライブ配信されました。涼しい自宅の大型TVで部屋を暗くしてネット配信の花火大会をLIVE配信でビールを飲みながら鑑賞しました。やはり、長岡花火大会では、音楽と花火が競演した「3年ぶりの復興祈願フェニックス 2022」で平原綾香が歌う「ジュピター」の音楽に合わせて河川敷の9か所から一斉に打ち上げられる花火や大型花火は見事でした。ネットライブ配信による鑑賞ができる時代になったこともコロナ禍の出来事でした。
<YouTubeでも検索できます。>
★2022 長岡花火【3年ぶり】復興祈願花火フェニックス復活5分フルバージョン
★長岡まつり 2022 – 長岡まつりとフェニックス2022の映像- 長岡花火 2022
さすがに、15年前の映像よりビデオカメラが4K8Kになったことで画質が向上したこともあり、花火師の皆さんの花火開花技術の向上をTVで見ても新たな感動を呼び見事です。
1917年(明治43年)から行われている秋田県の「大曲の花火~全国花火競技大会」は、全国の花火師の祭典と言っても良いでしょう。TV中継やネット配信されていました。どの花火も音楽と花火の演出が見事でした。コンピュータ技術によるプログラム化が進み、音楽と花火のコラボレーションを堪能できます。実に、花火と音楽とのマッチングが合います。
その他、都内や近郊でも夏の風物詩の花火大会が開催されたところや秋に延期されたところがあるようです。2~3年開催されていない花火大会がその時期の分も含めてコロナ禍の厳しい状況の花火界の環境にあって、花火師の人々の夏に懸ける意気込みを感じられました。
今年は、中止になりましたが隅田川の花火大会は、歴史的記録の残るものとしては両国の花火が最古となっているそうです。江戸時代の享保17年(1732年)の大飢餓で多くの餓死者が出て、更に疫病が流行し国勢に多大な被害と影響を与えました。幕府(8代将軍吉宗)は、翌18年(1733)5月28日(旧暦)犠牲となった人々の慰霊と悪病退散を祈り、隅田川で水神祭を行いました。この時に、両国橋周辺の料理屋が公許(許可)により花火を上げたことが「両国の川開き」の由来とされています。
コロナ禍で中止といわれていた地元の江戸川花火大会がシークレット花火大会と言って、規模も時間も小規模ですが、突然行われたようです。娘がショッピングセンターで偶然に見てスマホで撮影した動画を見せてくれました。時代ですね。
もう一つの夏の風物詩は、甲子園の高校野球です。無事に観客を入れて開催されました。ブラスバンドや吹奏楽部やバトン応援部などの華やかな応援も戻ってきました。地元、市立船橋高校の「市船ソウル」(市船の亡き吹奏楽部員が作曲した。映画化もされた。)が甲子園で響きました。TVニュースでも紹介されていました。やはり、音楽の応援の力が選手たちを熱闘の中で鼓舞させたようです。また、ご存じのように、深紅の優勝旗が白河の関を越えて、初めて東北に掲げられたのは、感動的でした。
今年の夏は、猛暑で夏も長いようです。また、豪雨も尋常じゃないようです。
全国の花火大会がコロナ禍退散や災害の鎮静化を祈願して無事に行われることを祈願しています。