[ブログ] 楽譜de散歩
2012.12.14 著作者や作品などの紹介

レッド・ツェッペリン 近江 和明(アマチュアフルーティスト)

【執筆者】近江 和明(アマチュアフルーティスト)

先日、床屋へ行きました。店に入ったら他にお客さんは誰もいなくて、じゃあどうぞといわれて椅子に座りました。何か聴いた事のある音楽がラジオから流れていました。この曲何だったかな?そうだ、レッド・ツェッペリンじゃないか!なつかしいなあ。今頃なんでこんな曲がラジオから流れているのかな?最近は年配者が若い頃の音楽をよく聴いているらしいし、昔のアルバムの復刻版でも出たのかな。なんて色々な事を考えて、床屋のお兄さんに聞いてみました。これレッド・ツェッペリンだよね。珍しいね、今頃。

そうしたらこのお兄さん、「いやこれは最近の演奏ですよ。」と答えるのです。そんな筈はないよね。レッド・ツェッペリンって知ってる?あなたが生まれる前に活躍していたんじゃないかな。そうしたらですね、「だからこれは最近のコンサートかなにかのライブなんですよ。ジミー・ペイジは70歳ですよ!」と答えるのです。まさか!この一撃はガーンと私の頭を打ちました。とても70歳のオジン達の演奏には思えなかったのです。

家へ帰ってから調べてみました。ご存知レッド・ツェッペリンは1968年にデビューした超有名なイギリスのロックバンドです。音楽的独自性が明確で、非常に優秀なドラムのボーナムが参加したために大音響もこなすグループとなりましたがそれだけではない多様性も兼ね備え、またペイジが録音音質にこだわり、現在の耳で聴いても優秀な録音が多いとされています。私も昔、何枚もレコード(CDじゃありません!)を持っていました。

1980年にドラムのジョン・ボーナムが事故死し、彼に代わるドラマーがどうしても見つからずに1982年に解散しました。その後はボーナムの息子がドラムを叩いたりしてレッド・ツェッペリンとして時おり演奏を続けたらしいのですが、この頃にはもう私はレッド・ツェッペリンを全く聴かなくなってしまい、彼らがどうしているのかもフォローせず、私にとっては解散したバンドと同じになりました。そしていつしかその音楽への興味も薄れて行きました。

2007年12月に、ロンドンで前年に亡くなったレコード会社の創始者の追悼のための一夜かぎりのチャリティライブが行なわれました。床屋で聴いたのはこの時の演奏だった様です。映像も残っていましたが、初めてみる老人のジミー・ペイジが映っていました。でも床屋のラジオから聴こえてきた演奏は全く別のイメージでした。私が20代の時に聴いた音楽そのままのエネルギーが炸裂する様なあのレッド・ツェペリンでした。音楽が演奏に命を吹き込んだのでしょう。歳はとっても彼の中で音楽は生き続けていると確信しました。床屋で聴いた時の事が甦り、60を過ぎた私の中にまで音楽のエネルギーが流れ込んでくる様でした。ジミーに今までに一度も感じた事のないほどの親近感を覚えました。