[ブログ] 楽譜de散歩
2017.09.29 著作権について など

コピーあれこれ(2) 末吉 保雄(CARS代表幹事/作曲家)

【執筆者】末吉 保雄(CARS代表幹事/作曲家)

……“音楽教室”の著作権使用料をめぐっての議論が、あちこちで話題になった。私も、長年、CARSを通して「適正な楽譜コピー」を呼び掛けてきた立場として、あるいは、もっと長年“音楽教室”に関わってきた者として、感想をたずねられることも少なくなかった。……

前回、このブログを上記のように書き出した。そして、次に……この事柄じたいについては、JASRACの対応を信頼しているので、ここで何か書く必要はないと思う……と、続けて、このことを報じた新聞その他のいくつかの記事にたいそう落胆したと記した。それはそれで間違ったわけではなく、修正すべきことを記したつもりは無い。

ただ、それ以降もなお、「この件」についての感想を述べる必要に迫られたことが多々有った。その時の話の経緯を振り返るうちに、以下のような“実例”(つまり、私の経験した事)の紹介が意味の有ることに思えて、今回は、これを書くしだいだ。

実例(その1)

ある街なかの大きな楽器店。音楽教室も開いていて多くの生徒と先生をかかえている。たくさんの楽器が並べられている横に、大きな楽譜棚も有って、新刊のさまざまな音楽“教材”が置かれている。気軽に手に取って、ページを開くのも容易だ。

そのオーナーが、若い先生たちに「新しい楽譜や本を、たくさん取り寄せているからね。大いに勉強して、よいものが有ったら言ってください」と言うので、「じゃ、コレコレをお願いします」。すると…

「先生のクラスの生徒は何人だっけ?数を言ってくれれば、すぐコピーします」。

実例(その2)

親切で、優しいので、おおぜいの生徒たちに慕われている先生の、ある日のレッスン。「じゃ、こんどはコレコレをやろうね。新しい曲で楽しいよ。でもアノ本は持って無かったよね。楽譜は、今晩中に、お母さんにメールで送っておくからね」

実例(その3)

前記とはべつの大きな店。多種多様な楽譜を買うことができる。背の高い楽譜棚が並んでいる。探しているものがなかなか見つからないので、いくつもの棚の上から下まで順に辿っていたところ、棚の一番下の方に若い人がしゃがみ込んでいる。棚から楽譜を取り出して、表紙にスマホをかざしながら、「ねえ、これで良いんだよね」と誰かに話している。ページを繰って「ここ?、次のページも?、わかった」と、パチリ。

すぐに行ってしまおうとしたので、つい私は「それって、いけないんじゃない?」と声を出してしまったが、黙って行ってしまった。

何を写したのかな?と、その楽譜を取り上げてみた。試験や、コンクールに良く出題される日本の現代曲だった。

むろん、これらの実例を、私はCARSの話し合いなどで話します。いま、CARSが出しているリーフレット<楽譜のコピーQ&A>の記事に、その反映が見つかるでしょう。

みんなで、色々な“実例”を持ち寄りましょうか? 

(続く)