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田中 明
<プロフィール>
田中 明
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フランス、イギリス、アメリカの各音楽出版社で著作権管理の仕事を中心に続けた後、平成元年7月から現在に至るまで、全音楽譜出版社で楽譜出版事業に携わっている。元日本楽譜出版協会責任理事、同著作権委員長。現在、(社)日本書籍出版協会知財委員会幹事兼同法制小委員会座長、音楽図書館協議会著作権専門委員、著作権法学会会員、国際著作権法学会会員、CARS委員、(株)全音楽譜出版社取締役会長。
(下記タイトルをクリックすると、各セクションへリンクされます)
楽譜出版社の世界とは? 伝統文化を担う新たな取組み
楽譜出版をとりまく問題 オン・デマンド出版の功罪
楽譜ができるまで 楽譜出版社は生き残れるか
なぜ楽譜を出版するのか? 楽譜の「外側」からコピー問題を考える
7. 楽譜出版社は生き残れるか
対談写真06
〜楽譜を使う人には音楽愛好家が多いでしょうが、楽譜コピーがそういった愛好家によってされている、というのがこの問題の悲しいところだと思うんです。〜(小森)
〜残念ながら、楽譜を作る側と使う側が、あたかも「利害関係」であるかのようになってしまっていますね。〜(田中)
小森:
楽譜を使う人には音楽愛好家が多いでしょうが、楽譜コピーがそういった愛好家によってされている、というのがこの問題の悲しいところだと思うんです。そこへ利用開発ということの意義を訴求していく、ということが必要かと思います。音楽を演奏するという時に、今その時の利益だけを考えるのではなく、演奏することによって次の音楽を再生していくという、循環のようなことを考えていかねばと思います。無断で楽譜をコピーして使うことにより、将来の環境をどんどん壊す、培われてきた土壌を崩す、ということが、今、楽譜をコピーしている人たちに意識されていないのではないでしょうか。
田中:
楽譜を作る側と使う側が、あたかも「利害関係」であるかのようになってしまっていますね。でも実は共同作業をしているんですね。そこに気づいていただくようにしたいです。われわれ出版社はNPOではありませんから利益をあげねばなりませんが、やはり音楽が大切だと思うからこそ薄い利益でもやっているんですね。過去・現在・未来をつなげるために今の自分の置かれた立場で仕事をやっていく、そこに精一杯努力している訳です。
小森:
全体で楽譜出版社が30数社、というのがいいことか悪いことかわかりませんが、数の上では心もとないように感じます。それが倒れたときに、後を継ぐものがあるんだろうかと不安に思いますが、それがないから今の30数社まで減ってきているんでしょう。このまま、また減っていくような状況になるとしたら、日本の楽譜を支えている部分がどんどん根腐れのようになっていくような危惧を感じますが。
田中:
楽譜の市場というものがそのぐらいの規模なのかな、と思うんです。その30数社がそれぞれの持ち分でいい仕事をすればいいのでしょう。人気のある作曲家に偏って何社もが同じものを出版するような無駄をなくす一方、新進気鋭の作家の作品を世に出す、そういう意欲もでるといいですね。
小森:
レコード、映画業界で、大きな会社がバタバタと倒れていくのを今まで見てきた訳ですね。昔、こういうところで働けたらなあ、と思っていた撮影所がなくなってしまいました。ついこの間まであったスタジオがなくなる、その世界を目の当たりにしてきました。楽譜の世界ではそれは起こってほしくない。
8. 楽譜の「外側」からコピー問題を考える
対談写真07
〜音楽を使う人、演奏する人と作る人、出版する人とが、「対立」ではなく「共同作業」なんだ、という考え方を共有できるといいですね。そういった外側の部分から、政治、経済といった中心部を変えていく、そんなアプローチも必要かなと思います。
〜(小森)
小森:
官庁とか法制度とか、あるいは経済のしくみとか、そういった中心部分を変えていくのが、なかなか難しい繰り返し作業だとなれば、逆に周辺部分、つまり音楽を使う人、演奏する人と作る人、出版する人とが、先ほどの話のような「利害関係」ではなく「共同作業」なんだ、という考え方を共有できたらいいんじゃありませんか。外側から中心部を変えていく、そんなこともめざすべきかなと思います。
田中:
まったくその通りですね。長年この問題に取り組んだことから得た経験則と、この国の実情を考えたとき、やはり現時点で適当と思うのは、現行著作権法の枠組みの下で、なお、当事者間の合意形成、つまり、契約によってコピーに関する一定のガイドラインを設けること、言い換えれば、共通理解の形成がいちばん求められていることだと思います。そのためには、早く事を運ばないと、関係者が世代交代などして、再び事情を知らない担当者がゼロからやり直しの堂々巡りをするなどということになりかねません。 そういう意味でも、CARSができたとき、これは大変に歓迎すべきことだなと思ったのは、作家と出版社、管理者としてのJASRACの三者が一体となって話せる場がはじめてできたということです。それを、ゆくゆくは利用者にも参加してもらいたいというのは、まさにそのためです。
小森:
もしも教育分野で問題が大きいとするなら、そういう場で一緒に話をしていけるチャンスをつくればいいと思うんです。将来、いろんな形で音楽を仕事にしたい、と思っている若い人とも話をしていくことができれば、「種をまく」、ということにつながるのではないでしょうか。
田中:
修学旅行で楽譜出版社の見学に来てくれる学校があるんです。そこで楽譜作りの苦労や工夫を実際に見て、感じて、彼らは本当に感激して帰っていくんですね。初めてそういうことを知って、大変なことをしているんだなあ、楽譜を大切にします、と、かわいいお礼状を頂いたりするんです。そういう時に、こういうことをやっていてよかった、と素直な気持ちになりますね。
(了)
2007年11月20日 採録
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