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こんなとき楽譜コピーができますか?
(楽譜のコピーに関するQ&A)

こんなとき楽譜コピーができますか?
(楽譜のコピーに関するQ&A)

2021年6月25日改訂

Q1
新型コロナウイルスの影響で合唱部も個人練習中心の活動を余儀なくされています。
楽譜をスキャンして部のサーバーにアップロードし、タブレット端末などでも見られるようにしたいです。大丈夫ですか?
A1

いいえ、許諾を受けて行ってください。

著作物を学校内のサーバーやクラウドサービスにアップロードし、配信(公衆送信)する時は、著作権者の許諾が必要であることが、著作権法第35条に定められています。
一方、学校や教育機関における授業では、著作権者の利益を不当に害する場合を除き、著作物を公衆送信したり複製することが認められています。
高校の部活動は授業に含まれますが、そこで使用する楽譜を、購入する代わりにコピーしたり配信したりすることは、著作権者、つまり作曲家や作詞家等の利益を不当に害する可能性が高いので、著作権者の許諾を必要とします。

Q2
定期演奏会に向けて練習を開始します。楽譜を部で1部だけ購入して、コピーして全部員に配りたいです。
部活動で使う楽譜を、コピーして部員に配っても大丈夫ですか?
A2

いいえ、人数分を購入するか、許諾を受けてコピーしてください。

高校の部活動は、授業に含まれますが、そこで使用する楽譜を、購入する代わりにコピーしたり配信したりすることは、著作権者、つまり作曲家や作詞家等の利益を不当に害する可能性が高いので、「部活動で使われる楽譜」や、「授業で教材として使われる楽譜」をコピー、サーバーにアップロード、配信する場合は、許諾を受けてください。

Q3
自宅でピアノ伴奏の練習をするために楽譜を購入しました。いつもたくさんの書き込みをします。
個人練習用であれば、楽譜をコピーしても問題ありませんか?
A3

はい、コピーできます。

個人的にまたは家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的として、楽譜などのコピーをその使用する本人が行う場合には、著作権者の許諾を受けずに著作物をコピーすることが認められています(著作権法第30条)。
しかし、多数の友人に配るためのコピー、仕事で利用することを目的としたコピーなどについては、 著作権者の許諾が必要です。

Q4
楽譜を買い足したいのですが、近くの楽器店では品切れで買うことができませんでした。
品切れであれば、楽譜をコピーしても問題ありませんか?
A4

いいえ、無断ではできません。

販売店で品切れなどにより購入できない場合に楽譜を入手するには、次の方法があります。
①発行元に問い合わせる。
発行元に在庫がある楽譜については、取り寄せることができます。
重版未定や絶版などの楽譜については、発行元からコピー楽譜の提供を受けられることもあります。
②インターネット上で販売情報を調べる。
・オンラインショップなどの在庫
・オンデマンド出版(受注生産)
・楽譜配信サイト(パソコンでのダウンロード、コンビニエンス・ストアのマルチコピー機などでのプリントアウト)
これらの方法でも入手できず、楽譜をコピーするときは、著作権者の許諾を受けてください。
また、購入した吹奏楽等のパート譜が演奏者の人数分に足りない場合には、発行元の楽譜出版社に連絡し、補充用のパート譜を購入してください。

Q5
インターネット上の有料配信サイトで楽譜データを購入し、ダウンロードしました。
購入した楽譜データであれば、全部員にデータをメールで一斉送信できますか?
A5

いいえ、許諾を受けて行ってください。

通常、楽譜配信サイト(※)の運営者が著作権者から許諾を受けているのは、「サイトの運営者が楽譜データをインターネット上にアップロードすること」「サイトの利用者がアップロードされた楽譜データを自らのパソコンなどにダウンロードすること」などについてです。サイトの利用者がダウンロードした楽譜データを多数の人にメール送信したりコピーしたりすることまでは許諾に含まれていませんので、Q1およびQ2と同様、無断で行うことはできません。
(※)著作権者から許諾を受けていない違法サイトには十分注意し、そのようなサイトに掲載されている楽譜は利用しないで下さい。適法なサイトには、原則として、著作権管理団体の許諾マークと許諾番号が表示されています。ただし、許諾マーク等の表示がない場合でも、表示が免除されているケース等がありますので、不明な場合は、著作権管理団体等または当協議会にお問い合わせ下さい。

Q6
定期演奏会では、来場者と一緒に歌うためにプログラムに歌詞を載せることを企画しています。
入場料無料の演奏会であれば、プログラムに歌詞を載せても問題ありませんか?
A6

いいえ、許諾を受けて掲載してください。

著作権法では、①営利目的ではないこと、②入場料が無料であること、③出演者に報酬が支払われないことの3つの条件を満たしている場合には、例外として著作権者の許諾を受けずに著作物を“演奏”することが認められています(第38条)。
しかし、プログラムなどに歌詞や楽譜などの著作物を“コピー(複製)”することについては、この例外に該当しませんので、著作権者の許諾を受ける必要があります。
また、コンサート・講演会などで歌詞や楽譜をプロジェクターで投影する場合やモニターに表示する場合も、それに利用するためのデータを作成・保存することが複製行為にあたりますので、同様に著作権者の許諾を受ける必要があります。

Q7
学校の音楽祭で合唱を披露します。
誰もが知っているようなヒット曲の歌詞を配ってみんなで歌いたいのですが・・・
歌詞をコピーして、全校生徒に配っても問題ありませんか?
A7

配布できますが、注意が必要です。

小学校から高校までの学校行事などの特別活動は、授業に該当するため、通常購入するなどして利用する場合を除き、参加する教員や生徒を対象としたコピーの配布は、許諾を受けずに行うことができます。
ただし、参加する教員または生徒ではなく、外部の業者などがコピーを作成する場合は、著作権者の許諾が必要です。
また、事前に練習するために、歌詞だけでなく市販されている楽譜をコピーして、音楽の授業で教材として利用する場合などは、権利者等の利益を不当に害する可能性が高いので、事前に発行元の楽譜出版社にご相談の上、著作権者の許諾を受けてください。

Q8
進学のことも考えて音楽の研究レポートを作ろうと決めました。そこで自校の図書館に行ったところ、いい資料がたくさんありました。
研究レポート作成のために高校の図書館で楽譜をコピーしても問題ありませんか?
A8

いいえ、無断ではできません。

著作権法では、国立国会図書館、政令で定める図書館(公共図書館、大学・高等専門学校などの図書館)などにおいて、調査研究を行う利用者が、所蔵されている資料中の著作物の一部分の複製物の提供を1人につき1部受ける場合には、例外として著作権者の許諾を受けずに著作物をコピーすることが認められています(第31条)。
しかし、小学校・中学校・高等学校の図書館は政令で定める図書館ではないため、この例外に該当しません。

Q9
古い時代の楽曲は著作権が消滅していると聞きました。
著作権が消滅した楽曲であれば、楽譜をコピーしても問題ありませんか?
A9

コピーできますが、注意が必要です。

著作権の保護期間は、原則として著作者が著作物を創作した時から著作者の死後70年まで(※)です。
保護期間を経過した著作物は、公共の財産として自由に利用できます。
ただし、編曲や訳詞がされている場合には、原曲の著作権が消滅していても、編曲や訳詞の著作権が存続していることがありますので、注意が必要であるほか、レンタル楽譜については、レンタル契約によってコピーが禁じられている場合があります。
また、著作権が消滅している楽曲でも、市販されている楽譜をコピーする場合は、発行元の楽譜出版社に事前にご相談ください。
ほかにも、楽譜集や音楽書から著作権が消滅している楽曲の楽譜をコピーするとき、楽譜とともに楽曲にまつわる資料や写真などの素材が掲載されている場合は、その素材の選択や配列に関して著作権が認められることがあります。また、楽曲に関する研究や解説等が楽譜に付記されている場合や、校訂等の新たな創作性が加えられた楽譜についても、保護の対象となる著作物として認められる場合がありますので、それらのコピーに関しては事前に楽譜出版社にご相談ください。
(※)外国の著作物に関する戦時加算など例外的な取り扱いがあります。

著作権に関するQ&A

Q1
著作権の保護期間は?
A1

これまで、著作権の保護期間は、作品の創作時にはじまり、原則として著作者の死後50年までとされていましたが(著作権法第51条)、TPP整備法による著作権法の改正によって、2018年12月30日付けで,原則として著作者の死後70年までに変更されました。
保護期間の計算方法は、著作者の死亡した翌年の1月1日から70年目の12月31日までと計算します。保護期間の終了した作品は公有(Public Domain=PD)とされ、許諾を得なくとも自由に利用することができます。
なお、「団体名義の作品」は公表後70年間、「共同名義の作品」は最後に亡くなった著作者の死後70年間保護されます(著作権が消滅しているかどうかは、JASRACのホームページで公開している作品データベース検索「J-WID」で確認することができます。)。

Q2
作品をアレンジして演奏したいのですが、何か注意することはありますか?
A2

作詞者・作曲者などの著作者は著作者人格権でも保護を受けています。例えば、楽曲の編曲、詞の改作、翻訳など、他人の著作物に改変を加えて公表するときは著作者の同意を得る必要があります(個人的に、家庭の中で利用することは自由にできます)。著作者の連絡先が分からないときは、楽譜出版社やその作品を管理している音楽出版社、またはJASRACなどにお問合せください。

Q3
著作権、著作者人格権を侵害するとどうなりますか?
A3

著作権法では、著作権、著作者人格権を侵害する者に対し、その侵害の停止や予防、損害賠償、名誉声望を回復する措置などを請求することができると定めています(著作権法第112114115条)。このほかに罰則として、著作権侵害の場合は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、著作者人格権侵害の場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金、さらにその両方が科せられる場合もあります。なお、法人などが著作権を侵害した場合は、3億円以下の罰金となります(同119条124条)。

※このほか、著作権情報センター(CRIC)JASRACのホームページにも数多くの著作権に関するQ&A(FAQ)を掲載していますので、そちらもご参照ください。